このツールは何をするか
現場で測った圧力・温度・電流から、冷媒回路のどこが悪いのかを可能性の高い順に3つ提示します。あわせて「センサーの値そのものが怪しい」といった物理的な矛盾も検出します。
確定診断はしません。冷凍サイクルの症状は複数の故障で重なるため、原理的に1つに絞り切れません。このツールは「どこから点検すれば最短で原因に届くか」の順番を示す道具です。最後の判断は必ず現物確認で行ってください。
最短の使い方(3ステップ)
- 運転させて安定を待つ — 起動から10〜15分。圧力が落ち着いてから測ります。
- 高圧・低圧を入れる — この2つだけが必須です。ほかは分かる範囲で埋めれば精度が上がります。
- 「▶ 診断を開始」 — 候補TOP3と点検手順が出ます。
写真から自動入力できます。現場写真パネルの「📷 銘板/ゲージを AI 読取」で、銘板やマニホールドを撮ると型式・冷媒・圧力などを読み取って入力欄への反映を提案します(反映前に必ず確認画面が出ます)。
入れるほど当たる、という設計
入力できた項目が多いほど候補が絞れます。逆に少ないと「候補が横並び」になります。これは故障ではなく、情報が足りないことを正直に表示している状態です。結果画面の「データ充足率」を目安にしてください。
記録として残す
顧客 → 機械 → 診断記録の3階層で保存します。クラウドにログインすれば別の端末からも履歴を見られます。修理が終わったら実際の原因を「実績」として入力してください。予測が当たったかの統計(📊統計)が蓄積され、あなた自身の判断材料になります。
スマホのホーム画面に置く
ブラウザの共有 →「ホーム画面に追加」でアプリのように起動できます。電波が弱い現場でも画面が開き、入力内容は端末に保存されます(診断の計算とクラウド同期には通信が必要です)。
画面が見づらいとき
右上の ⚙(表示設定)から、ダーク(機械室・夜間)/ライト(屋外・直射日光)の切り替えと、文字サイズ3段階を変更できます。設定は端末ごとに記憶されます。
どこを・どう測るか
測る位置を間違えると診断そのものが狂います。特に吸入管温度と液管/ガス管の区別は要注意です。
共通の注意:配管温度は断熱材を少しめくって銅管に直接センサーを当て、テープで密着させてから安定を待ってください。断熱材の上から測ると数K低く出て、過熱度・過冷却度の判定がまるごとずれます。
用語集
上の検索窓に日本語でも英語でも入れると絞り込めます。
なぜ「TOP3」なのか
冷凍サイクルでは、違う故障が同じ症状を出します。たとえば「高圧が低い・低圧が高い・圧縮比が小さい」は、圧縮機の内部リークでも四方弁の内部漏れでも起こります。数値だけで1つに断定するのは物理的に不可能です。
そこでこのツールは、症状の並び方(16の観測軸)と各故障モードの期待パターンを突き合わせ、合致度の高い順に並べます。あなたがやるべきことは「1位を信じる」ことではなく、上位から順に現物を点検して消していくことです。
パーセンテージの意味
「41%」は「41%の確率で故障している」ではありません。候補どうしを比べたときの相対的な合致度を100%に正規化した数字です。
読み方のコツ:1位と2位の差を見てください。差が大きければ絞れている、団子なら情報が足りない(=測る項目を増やすべき)、というサインです。
「複合疑い」が出たとき
1つの故障では症状を説明しきれないとき、2つが同時に起きている仮説を提示します(例:軽微なガス漏れ+凝縮器汚れ)。この場合は両方を並行して点検してください。片方だけ直しても症状が残ります。
物理整合性チェック(警告)
故障モードとは別に、測定値そのものの矛盾を検出します。たとえば「凝縮温度が外気温より低い」は物理的にありえないので、センサー異常か測定ミス、または圧縮機が止まっていることを意味します。警告が出たら、故障を疑う前に測り直しを検討してください。
データ充足率
16観測軸のうち何割が埋まったかです。低いまま出た確率は当てになりません。充足率が低いときは、結果画面で示される「次に測ると絞れる項目」を優先して埋めてください。
結果を出したあとの流れ
- 💾 記録を保存 — 顧客・機械に紐づけて残す
- ☁ AI所見 — 技術者向け/お客様向け/報告書ドラフトを生成
- 修理後に実績を入力 — 実際の原因を記録すると予測精度の統計が育つ
AIは何をしてくれるか
診断そのもの(TOP3の算出)はAIではなく物理計算で行っています。AIはその前後を楽にする役です。
📷 写真から入力(AI読取)
銘板・マニホールドゲージ・リモコン表示を撮ると、読み取れた値を入力欄へ反映する提案が出ます。必ず確認画面でチェックを外せるので、誤読がそのまま入ることはありません。単位(MPa と kgf/cm²)の換算も注記されます。
☁ AI所見(3種類)
- 技術者所見 — 根拠の数値を引用しつつ、候補の切り分け手順を書く
- お客様向け説明 — 専門用語を避け、緊急度つきで説明
- 報告書ドラフト — 現地調査報告の文面を生成
🤖 追加で質問する(対話)
診断結果を踏まえて追加質問ができます。送信先は「Claude(クラウド)」と「ローカルLLM(自分のGPU・無料)」を切り替えられます。
AIの回答は参考意見です。もっともらしく間違えることがあります。特に数値・型式・部品番号は必ず一次資料(メーカーのサービスマニュアル)で確認してください。AIの文章をそのまま顧客に出す前に、必ず目を通してください。
使えないと表示されるとき
クラウドAIはAPIキーの設定が必要です。未設定の場合は「クラウドAI未設定」と表示されます(設定手順もその場に出ます)。ローカルLLMを使う場合は右上のローカルLLMから接続先を設定してください。
よくあるトラブル
それでも解決しないとき
ライブログパネルの 🐛 バグ報告 から、バージョン・直近のログを添えて報告できます。「何をしたら」「何が起きたか」を一行添えていただけると原因が早く分かります。
操作でも技術でも、そのまま聞いてください
いま開いている画面の状況(入力数・冷媒・直近の診断結果)を添えて答えます。測る場所が分からない・結果の意味が分からない・用語が思い出せないときにどうぞ。
Ctrl+Enter でも送信できます。/ 回答は参考意見です。数値・型式はメーカー資料で確認してください。